自由律俳句結社 青穂

    会則 青穂紹介 第九回尾崎放哉賞 連絡先

      mozuneko  


◆青穂抄◆ 2025.7.8更新 青穂57号より抜粋

いまきいれ尚夫 選

時雨はやがて雪に変幻の白い断面              後谷五十鈴

傷跡だけ印した時刻表                   一の橋世京

人という殻の中に囚われて抜け出せない           久光 良一

ツツドリ鳴くさざ波だつ兵の耳               三好 利幸

ほしいもの何 戦いを見ない日です。            加藤  武

梅東風よ「戦争消えろ」                  伊藤 清雄

父思う母思う 帰らない日を思う              井上 敬雄

独り言もよく噛んで朝御飯                 前田 和子

束の間の戒厳令 さざんかは散ります            平山 礼子

明日からと明日からと言って今日も終る           島田 茶々

寒い朝踏まれる霜柱ほどのプライド             ゆきいちご

戻せない夕陽を白いハンカチに織り込む           高木 架京

鬼ごっこの鬼が消えふりむくとひとり            平岡久美子

津軽海峡渡るつもりの蝶一頭                きむらけんじ

じゃあねと手を振って深い川を渡る             小山 貴子