私の感銘句 2017.2.8 更新

 

 小山 幸子

感銘の1


   胸の奥もガケくずれ   田中 昭雄


 「も」があることでこの一句に広がりがでて、想像をふくらませています。日々過ごしている生活の中でこんなこともおこっているように思うのです。そして、このくずれたガケは他のところと一緒に補強でき、以前にもまして強固になるように感じました。


感銘十句選

イエスとノーの間にころがって落ちつかない  久光 良一

雲をつまんだら降ってきてしまった      黒崎 渓水

ノート丸めてのぞいた十五の淡い空      奥野  

年々歳々八月のカタチを観る         いまきいれ尚夫

車椅子から立ち上がれこの手離さない     埋田 貞子

悪口がうしろから追ってくる早足の都会    大山 まる

母が逝く日の赤とんぼの高い空である     平山 礼子

なぜか脇役に目が向く歳重ねて読む漱石    大軒 妙子

独りで育てた母の寝たっきり          そねだ 

事実だけの答弁が真実の横をすりぬける    そのべ章志



私は人々にかういふ。

君等が心の土に真実の種をおろせ。 

君等が生活の上に生命の木を生ひ立たせよ。

大地の力を生きることの力とせよ。

太陽の光を生きることの光とせよ。

然らば、君等が生命の木はやがて多くの花をつけ多くの実を結ぶであらう。

(井泉水著『生命の木』「芸術より芸術以上へ」)
       


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