私の感銘句 2016.12.25 更新

 

 田中 昭雄 

感銘の1句 

  なぜか脇役に目が向く歳重ねて読む漱石  大軒妙子

  定型俳句とは大きく異なるばかりでなく、自由律句でもめずらしい句材と内容で、興味や論点も広く深いものとして選びました。尾崎放哉は、イギリス留学後に一高教授となった漱石に講義を受け、また、後の多くの作品にも、感受性強く多大に、ある意味、深刻な影響を受けた大変に重要な大作家であり、登場人物(脇役も)興味深々です。漱石文学には、汲みつくせない豊かな泉があると思えてなりませんね。

 

感銘十句選

日向ぼっこして君のぬくもり探している   井上 泰好

遠くへ移り住むという残された絵                   那須田康之

ふる里 海辺の砂の軽さよ         いまきいれ尚夫

この先は未知の領域秋の雲          平岡久美子

秋口の光る鋏で切ってあげます       小山 貴子

こんにゃくといふもの此の世にあるふしぎ  久次 縮酔

休耕田増え聞こえない第九                  ゆきいちご 

雲流れ戦場へ花すすき           増田 天志

餓死する空の食えない青          そねだ 


政治にはくらかった亡父のひと言は『何でやねん!』  
                     そのべ章志



私は人々にかういふ。

君等が心の土に真実の種をおろせ。 

君等が生活の上に生命の木を生ひ立たせよ。

大地の力を生きることの力とせよ。

太陽の光を生きることの光とせよ。

然らば、君等が生命の木はやがて多くの花をつけ多くの実を結ぶであらう。

(井泉水著『生命の木』「芸術より芸術以上へ」)
       


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