自由律俳句結社 青穂

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◆私の感銘句◆ 2024.02.13更新 青穂51号より

 久坂 夕爾 選

 

感銘の一句

  

はじまりもおわりも紺滲む               早舩 煙雨

この『はじまり』と『おわり』は円環状になっているのではないか。また、「滲む」のですから、各々は点ではなく広がりを持ったもの。それが天体であれ作者の情景であれ、深い青は、どこかしら苦さを感じさせます。


感銘十句選    

混凝土の煙突崩落せよ青が満つ               三好 利幸

ピル飲む女が西瓜の種吐く                 楽 遊 原

擬態語や水母の才覚                    伊藤 清雄

酒に酔えば盃に顔を描く                  荻島 架人

余白ぬりつぶして更地の葛                 折口 朋子

土砂降りの町巨大なはらわたの匂い             鈴木しのぶ

回りながら落ちてきた羽のような感情を           黒崎 溪水

混沌に首輪をかけて 百錠二本               岩渕 幸弘