自由律俳句結社 青穂

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私の感銘句 2017.3.3更新

 久次 縮酔 選

感銘の1

    本当は口説かれるまでが好きなだけ     杉森 久美子

 それは男も同じです。口説いている時が一番楽しいのです。その昔、野坂昭如が「黒の舟唄」で〝男と女の間には深くて暗い川がある…〟と唄っていましたが、こと口説きに関しては男と女に大きな差異はないようです。しかし、口説きの後には大きな暗い川が現われてくるのですね。恐しい句が現われてきました。

 

感銘十句選

   雪の夜みえない人がしんしんと来る          高木 架京

   花の夜は甘えたいのさお月さん            高橋 恒良

   仕舞ったこころがどこかで暴れていた         谷田 越子

   ふんぎりつかぬまま老人になってしまったな      久光 良一

   少し遅れていいですか形見の腕時計          ゆきいちご

   裸女は右に抱く一人寝は左向き            あ   ん

   遠い目の先より戻る冬日向              奥野  章

   昼下がり薄氷の秘め事溶けている           小池ますみ   

   働くの向いてないので飴舐めている         きむらけんじ

   身一つ救えずに蜘蛛丸くなる             小山 貴子

 



私は人々にかういふ。

君等が心の土に真実の種をおろせ。 

君等が生活の上に生命の木を生ひ立たせよ。

大地の力を生きることの力とせよ。

太陽の光を生きることの光とせよ。

然らば、君等が生命の木はやがて多くの花をつけ多くの実を結ぶであらう。

(井泉水著『生命の木』「芸術より芸術以上へ」)