会則 青穂紹介 第七回尾崎放哉賞 連絡先
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久坂 夕爾 選
感銘の一句
はじまりもおわりも紺滲む 早舩 煙雨
この『はじまり』と『おわり』は円環状になっているのではないか。また、「滲む」のですから、各々は点ではなく広がりを持ったもの。それが天体であれ作者の情景であれ、深い青は、どこかしら苦さを感じさせます。
感銘十句選
混凝土の煙突崩落せよ青が満つ 三好 利幸
ピル飲む女が西瓜の種吐く 楽 遊 原
擬態語や水母の才覚 伊藤 清雄
酒に酔えば盃に顔を描く 荻島 架人
余白ぬりつぶして更地の葛 折口 朋子
土砂降りの町巨大なはらわたの匂い 鈴木しのぶ
回りながら落ちてきた羽のような感情を 黒崎 溪水
混沌に首輪をかけて 百錠二本 岩渕 幸弘
私は人々にかういふ。
君等が心の土に真実の種をおろせ。
君等が生活の上に生命の木を生ひ立たせよ。
大地の力を生きることの力とせよ。
太陽の光を生きることの光とせよ。
然らば、君等が生命の木はやがて多くの花をつけ多くの実を結ぶであらう。
(井泉水著『生命の木』「芸術より芸術以上へ」)